パートナー代表の高橋俊哉です。12月も日数を数え20日となっています。皆さま、年末年始の準備に勤しんでいらっしゃるでしょうか。それともとにかく日々忙しく、うわー、余裕がないよ!、という状況でしょうか。まあ、お茶でも喫しながら暫しおつきあいいただけましたら幸いです。

人生というものは、つくづく思い通りにならないものです。
婚活に限らず、仕事でも人間関係でも、「ちゃんと考えて」「ちゃんと準備して」「ちゃんと努力して」きたはずなのに、なぜか結果が出ない、報われない、空回りしてしまう。そんな経験を重ねてくると、だんだんと気力が削がれ、「もう期待しないほうが楽だな」「自分はこういう星の下に生まれたんだろうな」などと、心を閉じてしまいがちです。

特に、人生経験を重ねてきた大人世代にとっては、「失敗したくない」「これ以上傷つきたくない」という気持ちが強くなります。それは自然なことですし、むしろ健全な防衛反応とも言えるでしょう。ただ、その慎重さが行き過ぎると、人生の中から“偶然”が姿を消してしまうことがあります。

実は、人生を前に進める大きな力の一つは、この「偶然」にあります。

偶然は、準備していない人のところにはやってこない

「偶然に任せる」という言葉を聞くと、無責任とか、行き当たりばったりとか、そういったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、本当の意味での偶然は、何もしない人のところには訪れません。

たとえば、ふらっと入った喫茶店での会話、たまたま参加した集まり、気が向いて申し込んだイベント。あとから振り返ると、「あれがきっかけだったなあ」という出来事は、意外とこうした小さな行動の先にあります。

大切なのは、「結果を出そう」と力むことではなく、「動ける状態の自分でいる」ことです。体調を整え、心を整え、日常をきちんと生きる。そうしていると、不思議と偶然が入り込む余地が生まれてきます。

婚活もまったく同じです。
完璧な自分になってから始めようとすると、いつまで経ってもスタートできません。むしろ、少し不安を抱えたまま、少し自信がないままでも、「今の自分」で動いてみる。そのほうが、現実は動き出します。

「思い通りにしよう」とするほど、人生は硬くなる

私たちはつい、「こうでなければならない」「こうあるべきだ」という考えに縛られてしまいます。年齢、年収、性格、条件…。婚活の場では特に、それらが明確な“基準”として目に入ってきます。

もちろん、基準を持つこと自体は悪いことではありません。ただ、それに執着しすぎると、人生は急に窮屈になります。視野が狭まり、本来なら気づけたはずのご縁を見逃してしまうことも少なくありません。

仏教では、「執着こそが苦しみを生む」と説かれています。これは何も、欲を持つな、望むな、ということではありません。「思い通りにしようと握りしめすぎない」という姿勢が大切なのです。

少し手を緩める。
少し余白を残す。
そうすると、人生には風が通り始めます。

生きるチカラとは、踏ん張る力ではなく、しなやかさ

「生きる力」というと、根性や努力、忍耐のようなものを想像しがちですが、本当の生きる力は、もっと静かで、やわらかいものです。

うまくいかないときに、自分を責めすぎない力。
予定が崩れたときに、流れを読み直す力。
思わぬ出来事に出会ったときに、「これはこれで面白いかもしれない」と思える余裕。

こうしたしなやかさが、結果的に人生を前に進めていきます。

婚活においても、「この人でなければ」「この形でなければ」と力が入っているときほど、物事は停滞します。一方で、「どんな出会いが待っているんだろう」と少し好奇心を持って臨んでいると、不思議と空気が変わります。

相手を見る目も、自分を見る目も、やさしくなるのです。

偶然は、人生からの「次はこちらですよ」という合図

思いがけない出来事は、ときに不安を伴います。
予定外の展開、想定外の出会い、予期せぬ別れ。

しかし、それらはすべて「間違い」ではありません。人生がこちらに進んでみたらどうですか、と示してくれているサインのようなものでもあります。

すぐに意味がわからなくても構いません。
後になって、「ああ、あれが転機だったな」と気づくことも多いものです。

大切なのは、偶然を敵にしないこと。
怖がりすぎず、拒みすぎず、「ひとまず受け取ってみる」という姿勢です。

人生も婚活も、「うまくやる」より「味わっていく」

最後にお伝えしたいのは、人生も婚活も、攻略すべきゲームではないということです。効率よく、失敗せず、最短距離で、という発想だけでは、どうしても心が置き去りになります。

遠回りに見える道にも、意味があります。
迷った時間にも、ちゃんと価値があります。

今日できることを一つやる。
会ってみたい人に会ってみる。
話してみたいことを話してみる。

その積み重ねの先に、思いもよらない偶然が待っているかもしれません。

人生は、コントロールするものではなく、対話するもの。
婚活もまた、自分自身と人生との対話の場なのだと思います。

肩の力を抜いて、呼吸を整えて、
「さて、今日はどんな流れがやってくるだろう」
そんな気持ちで、一歩を踏み出してみてください。

その一歩が、静かに、しかし確かに、世界を広げていきます。