パートナー代表の高橋俊哉です。本当に寒い日が続きます。でも、関東に在しているとまだまだ天国のようなもので、日本海側の皆さまは大変な大雪に見舞われ大変な難儀をされています。とにかくお気をつけてお過ごしくださいますように。JPCZなることばが天気予報でやたらと使われていますが、調べてみると、日本海寒帯気団収束帯(Japan-sea Polar airmass Convergence Zone: JPCZ)のことで、冬季日本海では,高度約1 kmにおいて数日程度の間ほぼ同じ場所に停滞する長さが1,000 kmに及ぶ風の収束帯(前線のように風がぶつかる場所)が現れることがあり、これが、様々な雪氷災害を引き起こすのだそうです。大雨をもたらす線状降水帯の大雪版ということなのでしょうか。当該地の皆さま、重ね重ねお気をつけてくださいませ。

さて、婚活を頑張っていたり、仕事や学問に一生懸命努力していても、なかなかままならないということはよくあるものです。それどころか、まったく結果がでない、やることなすこと失敗ばかりといった負の連鎖に陥ってしまい、どうにも抜け出せない暗い穴に落ち込んでしまったような辛い状況が続く、というようなことも珍しいことではありません。そんな苦しくもやりきれない状態の時はどう構えたらよいのでしょうか。そんなことを今日は書いてみたいと思います。

こういう時はやはり仏教の智慧に学ぶことです。仏教の基本的な教えとして四法印というものがあります。これは、すべての法(現象や物事)に共通する特性を示すものとされていて、仏教の世界観や人間の存在に関して教義の中心を成す部分だとされています。その名の通り四つのことがらから成っています。

諸行無常(しょぎょうむじょう)これは、以前のブログでも触れていますが、すべての存在や現象は常に変化し、永続するものは何もないという考えを示しています。人生のさまざまな段階や自然界の変化、物事の始まりと終わりを通じて、この無常の法則がはたらいているということになるのです。

一切皆苦(いっさいかいく)この世で生きていくことは、もちろん婚活をすることも、苦しみや不満足、痛みの連続であるということ。ここは物理的な苦痛だけでなく、心の中の欲望や期待に起因する精神的な苦しみも含まれています。

諸法無我(しょほうむが):この概念は、固定された「自我」や「我」は存在しないという考えを示していて、私たちの身体や思考、感情は常に変わっており、これらを一つの固定された「自我」として捉えることはできないのだということ。つまり自分自身というものでさえなんともあいまいなものであるというわけです。

涅槃寂静(ねはんじゃくじょう):涅槃は、苦しみや欲望からの完全な解放であり心の平和や静けさを示す。

諸行無常」は、物事が常に変化していることを受け入れ、過去や未来にこだわらず、今・現在を生きることの大切さを教えています。

「諸法無我」は、あらゆる存在が自己独立的に存在するのではなく、他者との関係性の中で成り立っていて、相互に助け合うことの大切さを学ぶことができます。婚活でもお相手のことをどこまで理解し思いやれるかということが先に立つ、のだということです。

一切皆苦」は、人生に避けられない苦しみや不安を経験することを示し、苦しみを克服するために正しい考え方や行動を取ることの必要性に気づくきっかけとなる、ということです。自分の心となっ直ぐに向き合い、それをコントロールすることで冷静かつ合理的な判断や行動がとれるということです。

以上の三点が腹に落ちて、受け容れることができ、行動に繋がっていけば、「涅槃寂静」という境地に達するというわけです。これは、煩悩という炎を吹き消して静かになった境地です。あらゆる現象に一喜一憂することなく心が安定した状態になる。これが仏教の目指す“さとり”の境地といわれています。

世の中のあらゆる出来事や物質は常に変化し、お互いに影響を与え合う相互関係にあります。無常であり、無我であるのに、人間はついつい物事へ不変を望み執着してしまいます。無常な世の中ですから一時的に満足する事があったとしてもいつかは思いどおりにならなくなります。真実は無我ですから自分の希望や快楽を追求しても幸福にはなりません。このジレンマによって苦しみや悩みが生じるけれども、四法印に学べば、その先に安らぎと幸福があるというわけです。 仏教は、神が人の生き方を説くのではなく、物事に対しての考え方やとらえ方を提供する教えなのです。

人生も婚活も元々そういう成り立ちなのだと腑に落ちて、覚悟がきまれば、一歩づつでも前に踏み出すことができるのではないか、とカウンセラー高橋は考えています。