パートナー代表の高橋俊哉です。5月も今日入れて残り3日。最終盤に入り、初夏の空気が少しずつ濃くなってきました。台風も発生していますね。日中は汗ばむ日も増えましたが、朝晩はまだどこか涼しさが残っています。季節の移り変わりの早さを感じつつ、日々面談やご相談を重ねております。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。どうぞご無理なさらずお過ごしくださいませ。
さて今日は、もったいぶったテーマにしておりますが、改めまして「感謝」というテーマについてお話ししてみたいと思います。このテーマについては、小林正観さんをはじめ多くの方々が、時代や洋の東西を問わず言及されております。
「感謝が大事」という話は、皆さまも子供のころから何度も耳にされていることだと思います。「えっ、ご大層な表題なのに、なんだそんなことなの?」と思われたかもしれません。しかしながらこの「感謝」という概念については、近年、心理学分野でも様々研究が進み、自己啓発、心理学、宗教、成功哲学など、さまざまな分野で繰り返し語られています。最近では、「感謝日記」を勧める本なども多く見かけます。毎日、「感謝できることを三つ書く」「自分に感謝することを三つ書く」だけで人生が変わる、という考え方です。
一見すると、とてもシンプルです。
正直、「そんな簡単なことで人生が変わるのか」と感じる方もいらっしゃると思います。
しかし、私は日々多くの方の婚活や人生に伴走させていただく中で、「感謝」という習慣は、実は想像以上に大きな力を持っているのではないか、と痛切に感じています。
しかもそれは、「魔法」のような話ではありません。
もっと現実的で、人間の心の仕組みに深く関係しているものだと思うのです。
人間の脳は、本来「不足」に敏感です。
これは生存本能でもあります。危険、不安、失敗、欠乏を先に察知することで、人類は生き延びてきました。つまり放っておくと、人は自然に「足りないもの」に意識が向きやすいのです。
婚活でも、まさにそうです。
「まだ決まらない」、「条件が合わない」、「年齢的に厳しい」。「また断られた」、「他人はうまくいっているのに」…。
こうした思考は、何もしなくても自然に増えていきます。そして人間は、自分が注目しているものを現実の中から拾い集める性質があります。「うまくいかない」と思っていると、うまくいかない証拠ばかりが目につく。逆に、「少しずつでも前に進んでいる」と感じ始めると、小さな変化やご縁にも気づけるようになります。
ここで感謝の習慣が意味を持ってきます。
例えば、
「今日もご飯が食べられた」
「話を聞いてくれる人がいた」
「面談まで来られた」
「仕事をやり切った」
「空が綺麗だった」
「猫が元気だった」
「眠れる場所がある」
こうした“小さな感謝”を意識的に見つけ始めると、脳は少しずつ「不足」だけではなく、「既にあるもの」にも注意を向け始めます。
ここが非常に大きいのです。
感謝とは、無理にポジティブになることではありません。
「嫌なことを無視する」ことでもありません。
そうではなく、「既に存在しているものに気づく力」なのだと思います。
そして不思議なことに、人は感謝を続けていると、少しずつ表情や空気感が変わっていきます。
婚活でも、条件だけでは説明できない「なぜか感じの良い人」がいます。
逆に、条件は良いのに、どこか重苦しい印象になってしまう方もいます。
この違いは何なのか。
私は、「世界に対する基本姿勢」が滲み出ているのではないかと思うのです。
常に不足を見ている人は、どこか焦りや警戒感が出やすい。
しかし、「今あるもの」に感謝できる人は、自然と柔らかさが出ます。
そして人は、「正しい人」より、「安心できる人」に惹かれることが多いのです。
ここで重要なのは、「感謝しなければならない」と義務にしないことです。
真面目な方ほど、「感謝できない自分はダメだ」と考えてしまいます。
しかし感謝とは、本来もっと静かで自然なものです。
無理に大きな感謝を探さなくてもいい。
まずは、
「今日は少し涼しい」
「コーヒーがとても美味しい」
「疲れたけれどなんとか一日を終えられた」
それくらいで十分なのだと思います。
また、最近の感謝習慣では、「自分に感謝する」という視点も重視されています。
これは非常に大切だと感じます。
多くの方は、自分には厳しい。
「もっと頑張らなければ」
「まだ足りない」
「こんな自分ではダメだ」
婚活でも、この自己否定が強くなると、どうしても苦しくなります。
しかし、
「今日も働いた」
「苦しい中でも動いた」
「ちゃんと人に向き合った」
「疲れていても頑張った」
こうした“小さな自己承認”を積み重ねると、人は少しずつ内側に安定感が生まれます。
そして不思議なことに、自分に優しくなれる人ほど、他人にも優しくなれます。
逆に、自分を強く責め続けている人は、無意識に他者にも厳しくなりやすい。
婚活においても、「選ばれるかどうか」ばかりを気にしていると、人との関係がどこか評価競争のようになってしまいます。
しかし、「今日も一人の人と出会えた」「話せた」「理解しようとした」と捉えられるようになると、婚活そのものの空気が変わっていきます。
また、感謝習慣の特徴は、「即効性」より「累積性」にあります。
一日で人生が変わるわけではありません。
しかし、毎日少しずつ続けることで、思考の癖が変わっていく。
筋トレに近いかもしれません。
最初は変化が見えない。しかし数ヶ月、数年続けると、確実に土台が変わっていく。
私は、婚活でも人生でも、「状態」が非常に大事だと思っています。
同じ行動でも、
不足感から動くのか。
感謝から動くのか。
焦りから動くのか。
落ち着きから動くのか。
それによって、相手に伝わる空気が大きく変わります。
婚活現場でも、流れが良くなる方には共通点があります。
それは、「外側の条件」以前に、「内側の状態」が少しずつ整っていることです。
もちろん人生には、苦しいこともあります。
病気、失敗、挫折、人間関係、孤独、不安、恐怖…。
感謝していても、辛いことは起こります。
しかし、その中でも「それでも今あるもの」を見つめられる人は、少しずつ折れにくくなっていくように感じます。
感謝とは、現実逃避ではなく、「現実の中の光を見る力」なのかもしれません。
そしてもう一つ大切なのは、感謝は「今ここ」に人を戻す、ということです。
不安は未来へ飛びます。
後悔は過去へ飛びます。
しかし感謝は、「今既にあるもの」を見る行為です。
温かい食事。
眠れる場所。
今日話せた人。
静かな時間。
そうしたものに意識が戻ると、人は少し呼吸が深くなります。
婚活も人生も、最後は「どんな状態で日々を生きているか」が大きいのではないでしょうか。
もちろん努力も必要です。
行動もしなければ始まりません。
しかし、心が慢性的な不足感に覆われていると、どうしても苦しくなります。
だからこそ、「感謝」というシンプルな習慣が、大きな意味を持つのだと思います。
派手ではありません。
すぐに劇的な変化があるわけでもありません。
しかし、静かに、確実に、人の内側を変えていく。
私は、感謝とは「人生の最強の武器」というより、「人生を支える最強の土台」に近いものではないかと感じています。
人生も婚活も、完璧になってから始まるものではありません。
不完全なまま、迷いながら、それでも今日を生きていく。
その中で、「今あるもの」に少しずつ目を向けていく。
その積み重ねが、結果として人を柔らかくし、ご縁を引き寄せ、人生そのものの空気を変えていくのではないでしょうか。
もし今、少し疲れている方がいらっしゃるなら、無理に前向きになろうとしなくても大丈夫です。
まずは今日一日を終えられたこと。
そこから始めてみてもよいのかもしれません。
何かよいこと、うれしいことがあったから感謝するのではなく、先に感謝の言葉、想念で自分自身を満たしておくこと、そうすると不思議なことに後からよいこと、うれしいことがやってくるのです。
人生も婚活も、大きな力で変えるものではなく、小さな習慣によって静かに整っていくものなのだと思います。










