パートナー代表の高橋俊哉です。3月になって春一番も吹き、暖かさも増してきました。ウクライナ問題、オミクロン株の感染状況など全世界的な大問題が続いて起こっています。他人事ではありませんね。日本という国のありようを考え、しっかりとした基盤を築いていくことが必要な時期になっているようです。そんなことを考えていると、モヤモヤ、イライラしてきて、なんともいえない❝怒り❞の気持ちが湧いてきます。一般的にやっかいだと考えられているこの怒りの感情について今日は書いてみることにします。
1.怒りの感情も大切な人間の感情である。:人間に湧きあがる感情はすべて情報です。いい気分も悪い気分も、現状の立ち位置や他者との関係、成長の度合い、置かれている環境などを教えてくれるものなのです。ネガティブな感情も無視したり、避けたり、隠したりすると貴重な情報がうまく捉まえられないというわけです。怒りは不当な扱いや理不尽な言動にさらされた時に人が感じる自然な感情です。生きていくうえで怒りの感情は時として必要なもので、まさに防衛本能であり「自分を守る」ためのものなのです。
2.怒りの原因となっている感情は何かを見つける。:怒りの前には隠れた感情が潜んでいます。悲しみ、淋しさ、恥ずかしさ、不安、困惑、恐れなどです。依頼したことが期限通りに履行されなかったり、約束の時間に交際相手が現れなかったりすると怒りが湧いてくるものです。前者では信頼し期待していたことが裏切られて悲しい、とか、その後の予定が狂って困る、とか。後者ではお相手が事故にでもあったのかと不安で心配していた、というようなことです。怒りだけが前面に出ると人間関係が損なわれてしまうものです。自分自身の思いや願いに気づければ、少し落ち着き、本当に伝えたい気持ちを適切な言葉で適切なトーンで伝えられるとより良いコミュニケーションがとれるようになるのです。
3.怒りは前に進むエンジンとなることがある。:学生時代に辛い勉強や部活の厳しい練習に耐えて、目標に向かって成果を得るために、怒りのパワーが効果的だったという経験がある方もおられるのではないでしょうか。社会人になって、失敗を見返してやろうと思ったときや困難で多岐にわたる業務をこなそうというとき、怒りが前向きのエネルギーに転換されると大きく成長できるものです。優秀なマネージャーは、ごくたまに少々の怒りを部下に向けると、部下がテキパキと動き出し、成果につながることを知っています。のべつやるともちろん逆効果になってしまうことも十分理解してやっているのです。
4.不正、不当な脅威に対する怒りは人々を一致団結させる。:アフリカ系アメリカ人の公民権運動を指導したキング牧師は、「もっとも重要な仕事は、人々を組織してまとめ、彼らの怒りを、物事を変える力にすることである。」と語っています。今まさにヨーロッパで起こっているロシアのウクライナに対する侵略戦争には、世界中から非難と怒りの声が巻き起こっています。生命の危機にさらされているウクライナの人々が、安全で平和な日々を取り戻すことを願わない人はロシアの軍事指導者以外いないと思います。世界中の静かな怒りが、この戦争を一刻も早く終結させることを願ってやみません。
5.普段は明るく前向きに過ごしたい。:とはいえ四六時中怒っているとどうなるでしょうか。怒った状態が続くととても疲れるし、怒りが去ると悲しみがやってきます。普段の日常生活では、穏やかで明るい平常心を保ちたいものです。でもちょっとしたイライラやモヤモヤは、生きていればのべつ生じてきます。裏切られたり、迷惑をかけられたり、悪口を言われたり、思い通りに事がはこばなかったり。そんな時は、①良い勉強をしたなあと考える。②関係ないね、と呟く。人は人、自分は自分なのです。(柴田恭兵の名台詞ですね、古いかな、知らないかな(笑)) ③まあ、そんなもんかなと考える。期待値を上げすぎないということですね。④当り前のことに、ありがたい、おかげさまと感謝の気持ちを持つ。生きてるだけで丸儲けなのですから。
怒りはネガティブな感情の代表的なもので、ともすれば否定されがちですが、怒りの対象や原因によっては、大きく事態を変える原動力にもなりえるものだと思います。婚活でもお見合や交際がうまくいかないとき、お相手やカウンセラーに八つ当たりするのは論外ですが、その失敗をなんとかしたいというパワーの源にはなりえるはずです。他人は変えられないので、自分を変えるしかないといいますが、自分を変えることも相当な困難が伴います。強い決意、みじめな自分に対する憤り、コンチクショウという踏ん張りが、自分を変えてくれる大きなパワーとなってくれるのだと思います。
常には使えませんが、この怒りの感情とうまく付き合うことで、目標やゴールに向かって前進することもできるのです。