パートナー代表の高橋俊哉です。
7月も中旬に入り、夏本番が近づいてきました。今年は梅雨明け前から真夏を思わせる暑さの日も多く、体力を奪われるような日が続いています。暑さで疲れがたまると、心にも少し余裕がなくなりがちです。そんな時ほど、十分な睡眠や食事を心掛けながら、ご自身の心にも優しく接していただきたいと思います。水分補給もお忘れなく!どうぞ皆さま、くれぐれもご自愛くださいませ。
さて今日は、「無意識」という少し不思議なテーマについて考えてみたいと思います。最近読んだ一冊に『こうして無意識が現実になる』という本があります。題名だけを見ると少し神秘的な印象を受けるかもしれません。しかし読み進めていくと、決して魔法のような話ではありませんでした。むしろ、「私たちは、自分で思っている以上に無意識の影響を受けながら毎日を生きている」という、とても現実的なお話なのです。
私たちは普段、「自分で考え、自分で判断して行動している」と思っています。もちろんそれは間違いではありません。しかし、その「考えている自分」のもっと奥には、自分でも気づいていない無意識があり、それが日々の選択や感情、人との接し方に大きな影響を与えている、と著者は語ります。
私はこれを読んで、以前ブログでご紹介した仏教の唯識という教えを思い出しました。唯識では、「私たちは現実そのものを見ているのではなく、自分の心を通して見た世界を生きている」と説きます。表現は違いますが、伝えようとしていることには深い共通点があるように感じました。
例えば婚活でも、同じ出来事が起きても受け止め方は人それぞれです。お見合いの結果、交際に進まなかったとします。ある方は「今回はご縁がなかっただけ」と考えます。ある方は「やっぱり自分には魅力がない」と受け止めます。またある方は「次は何を改善できるだろう」と前を向きます。出来事は同じでも、その後の人生は少しずつ違う方向へ進んでいきます。その違いを生み出しているものの一つが、無意識なのかもしれません。
人は、自分が信じていることを無意識のうちに探しています。「自分は運が悪い」と思っている人は運の悪い出来事ばかり記憶に残ります。「人は信用できない」と思っている人は相手の欠点ばかりが目につきます。反対に、「今日も感謝できることが一つある」と考える人は、小さな幸せを自然に見つけられるようになります。現実が変わったというより、見えている世界が変わるのです。
私は以前、「感謝日記」についてブログを書かせていただきました。一日に三つ感謝を書く。そして、自分自身にも三つ感謝を書く。一見するととても簡単な習慣です。しかし、この本を読んで改めて思いました。感謝日記の本当の意味は、「よいことを引き寄せるおまじない」ではなく、自分の無意識を少しずつ育てていくことにあるのではないでしょうか。
人の心は、使った方向へ育っていきます。不満ばかり探していれば、不満を見つける心になります。感謝を探していれば、感謝を見つける心になります。以前、唯識のお話でも「心は使った方向に育っていく」と書かせていただきましたが、私はこの考え方がとても好きです。人生は一日で変わることは少ないかもしれません。しかし、一日の積み重ねによって静かに変わっていくことは確かにあります。
婚活も同じです。「どうせ断られる」「年齢的に難しい」「自分には魅力がない」と思い続けていると、その思いは知らず知らずのうちに表情や言葉や態度に表れてしまいます。本人は気づかなくても、相手には何となく伝わります。反対に、「まずは目の前の一人を理解してみよう」と思っている人は、自然と会話が柔らかくなります。笑顔も増えます。相手の話を聞く姿勢も変わります。その積み重ねが、ご縁を育てていくのです。
もちろん、「考え方を変えればすべてうまくいく」というほど人生は単純ではありません。努力しても思うようにいかないこともあります。病気もあります。仕事の悩みもあります。人間関係で傷つくこともあります。だからこそ私は、「無理に前向きになろう」とは思いません。しかしだからこそ、自分の無意識にどんな言葉を毎日届けているかは、とても大切なのではないかと思うのです。
「自分はだめだ」「また失敗する」そんな言葉ばかり聞かされていたら、誰だって元気はなくなります。反対に、「今日も一日よく頑張った」「少しでも前へ進めた」「ありがとう」という言葉を毎日自分自身にかけていたら、心は少しずつ安心を覚えていきます。
実は私自身も、夜寝る前にその日あった良かったことを振り返る「スリー・グッド・シングス」を続けています。さらに長年ご指導いただいている師から教えていただいたアファメーションも、夜と朝に唱えるようにしています。劇的な変化があったわけではありません。しかし振り返ると、以前よりも落ち着いて物事を見られるようになり、感謝できることを見つけやすくなったように感じています。それが少しずつ無意識に働きかけているのかもしれません。
私は面談の中で、「もっと自信を持ってください」と申し上げることがあります。交際しているお相手への遠慮が強すぎて、自分の意思をきちんと示すことができないため、いつも1回か2回のデート後お断りとなってしまう会員さんがいらっしゃるのです。お相手が頼りがいや安心感を感じられないのだと思います。しかし本当は、自信とは「持とう」と思って持てるものではないのでしょう。お付き合いを通じて、小さな成功体験を積み重ねること。感謝を積み重ねること。人との温かい時間を積み重ねること。その積み重ねが、無意識の中に「自分は大丈夫」という感覚を育ててくれるのだと思います。
人生は、大きな出来事だけで変わるのではありません。毎日どんな言葉を使うか。何に目を向けるか。どんな気持ちで人と接するか。その静かな積み重ねが、未来を形づくっていきます。
以前ご紹介した『イクストランへの旅』では、「世界を変える前に、自分の見方を変えてみる」という教えがありました。唯識では、「心が世界を映し出す」と説かれています。そして今回の本は、「無意識が人生を方向づける」と語っています。表現は違っても、私はこれらは皆、同じ方向を指しているように感じました。
世界を変えることは難しい。他人を変えることも簡単ではありません。しかし、自分の心に毎日どんな種をまいていくかは、自分で選ぶことができます。その種はすぐには芽を出さないかもしれません。それでも水をやり続ければ、やがて静かに育っていきます。人生も婚活も、実はそんなものなのかもしれません。
焦らなくても大丈夫です。今日という一日を大切に生きること。感謝できることを一つ見つけること。そして、自分自身にも「今日もよく頑張ったね」と声をかけてあげること。その小さな積み重ねが、いつか振り返ったとき、「あの頃から人生が少しずつ変わっていたのだな」と気づく日につながるのではないでしょうか。
人生も婚活も、未来はある日突然やって来るものではありません。
私たちの無意識の中で、今日も静かに育ち続けているものなのだと思います。
だからこそ、今日、自分の心にどんな言葉を届けるのか。その小さな選択が、未来の人生を静かにつくっていくのではないでしょうか。










